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column010ヨーロッパの電磁波規制

CATEGORY ビルトイン機器

電磁波。あまりいいイメージの言葉ではありませんね。 過敏症や発癌性など、健康に良くないイメージです。

定義としては、「電場と磁場の波」。 「電場」は電力の影響が及ぶ範囲、「磁場」は磁力の影響が及ぶ範囲。
波長により、電波、赤外線、可視光線、紫外線、X線と呼ばれることもあり、 実は馴染みの深いものでもあります。

その内発癌性が認められ、年間許容被爆量が定められているのは放射線のみですが、 例えばキッチン家電では、 電子レンジやIHクッキングヒーターの電磁波を気にされる方も多いことでしょう。
現在のところWHOでは「科学的根拠はみられない」「因果関係は薄い」と言っています。 一方家電一般製品からの電磁波について、ヨーロッパ等では調査研究が進んでいます。
その流れで電磁波についてヨーロッパを中心に基準値が決められています。

これは 「例え科学的根拠が認められなくても、人体に有害な可能性のあるものは回避すべき」 という考え方に基づくもの。
磁界の単位はマイクロステラで表しますが、 国際的な基準値はICNIRP(国際非電離放射線防護委員会)ガイドラインで決められています。
日本もそれにならい2011年10月より、200マイクロステラを規制値としています。 それ以前は1000マイクロステラでしたので、日本も随分と厳しくなりました。

ヨーロッパでは更に磁界ばかりではなく、 電界強度やいくつかの周波数毎の電磁界強度を同時に計算し、 総合的な限度値を100とした場合の割合を%で表すEMF値として CBレポートという技術資料で公表しています。 ヨーロッパ製のIHは規制値の10%台前半がほとんど。 ガゲナウ社やテカ社に至っては8%以内という数字が報告されています。 規制値を単純に下回っていれば良い、という考え方では決してないのです。