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column009モジュールという考え方とビルトイン機器

CATEGORY キッチンの制作について/ビルトイン機器

建築にはモジュールという考え方があります。 各種の設計の基本となる基準寸法のことです。

日本では、畳の短辺方向の3尺=300ミリが伝統的な住宅のモジュールです。
キッチンもそのモジュールにならい、 キャビネットの幅は300ミリあるいはその半分の150ミリを基準としています。
システムキッチン寸法にはJIS規格があります。JIS A 0017。 高さ、奥行、間口といった基本的寸法に加え、 台輪の高さ、蹴込深さも決められています。 この規格は国際規格ISO3055に準拠して規定されていますが、 ベーシックモジュールはJISとの整合性はありません。 ISOの3055の最小単位は100ミリです。 ところで100ミリと300ミリの最小公倍数は300ミリですね。

ヨーロッパではこの300ミリという寸法を基準に ビルトイン機器の幅寸法が決められています。 食器洗い機、オーブン、電子レンジ、スチームオーブン等々の幅は600ミリに、 大型オーブンは900ミリにビルトイン出来る寸法です。 あれ、食器洗い機の450ミリは国際基準から外れていますね。

実は450ミリ幅の食器洗い機は,日本の市場向けに開発されたものらしいのです。
それはモジュールの違いからだけではなく、 日本の豊富な水事情、 属人器と言われる食器文化の為に、1回の食事毎に食器を洗う習慣、 一般的家庭のキッチンの大きさによるものが理由と思われます。 属人器。聞き慣れない言葉ですよね。 例えばご飯茶碗や箸、湯吞茶碗は個々人の食器が決まっていることが多いですよね。 このように使う人が決まっている食器や食具を属人器、と呼びます。