CATEGORY キッチンの歴史
1970年代後半だったかと思います。 確かNHKで「はじめての僕デス」という曲がありました。
核家族。 お父さんとお母さんと僕。 住んでいるのは2DK。 「へいきんてんの一家だい!」と元気良く歌います。
2DKという言葉が浸透し、一般的で平均的だと言われた時代。 その曲に私は日本住宅公団プランを踏襲した住まいのイメージを持ちました。
それは決して狭くてチープなものではなくて、 南側のベランダに接したDKは明るくて、健康的だったものだと思います。
ですから1950年代後半から普及し始めたステンレス流し台セットの登場は とても画期的だったのではと想像するのです。
家族関係の中心に、キッチンとダイニングルームがやってきた時代だと思うのです。 一方で戸建住宅はこの頃、まだキッチンの多くが 北側に独立して、あるいはDKとしてプランされていました。 居間ではなく、応接間という言葉が一般的でした。 ちょっとよそゆきな住宅に思えます。