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CATEGORY キッチンの歴史

外国人宣教師のダイニングルーム

 

 札幌に、アメリカ、ミッション・ボートから派遣された女性宣教師の住居として建てられた建物があります。
2014年現在の名称は「旧北星女学校宣教師館(北星学園創立百周年記念館)」。
アメリカ人女性、サラ・C・スミス女史により1887年に創立された現在の北星学園。
日本女性の自立を願い教育活動を始め、北海道女子教育の道を拓きました。
その旧北星女学校で教鞭を取っていた宣教師の皆様の為のお住まいで、1926年の建築です。



配膳口ダイニング側1階には応接室、リビング、ダイニング、朝食室、キッチン。

そして通いでお手伝いされていた日本人メイドの控え室がありました。 キッチンは西向きのベイウィンドウのあるお部屋。
大きなベイウィンドウに向かってキッチンセットが置かれていたといいます。現在もとても明るい印象がある部屋です。

隣接した北側にメイド控え室。
作業がしやすいよう、ドアは内外両方開きます。
南側に朝食室。夕食とは別に朝食室がありました。
その東側にダイニングルーム、そして暖炉のある居間と続きます。

大きなテーブルのあるダイニングルームは応接機能も持ち、大切なお客様がお見えの時は、一見瀟洒にデザインされた収納棚に見える棚が、実は廊下側からも開き、メイドさんがお茶などをお給仕されていたそうです。つまり美しくデザインされた配膳口なのですね。

キッチンの東側に隣接したダイニングルームですので、そちら側に配膳口があった方が便利なのでは、とも思いますが、出入口や暖炉のある廊下側にある方が、確かにデザイン上美しく見えます。
このお部屋に招かれた学生達はハイカラな憧れと、先生達の深い愛情に包まれていたことでしょう。

基本設計はW.M.ヴォーリズでしたが、実際の設計はスイス人建築家マックス・ヒンデル。

カトリック系の建築を多く手掛けた建築家でしたので、プロテスタント系のこの建物の設計は珍しいことでした。この建物は1998年に国の登録有形文化財に指定され、2008年には札幌景観資産に指定されました。季節と曜日を決め、一般公開されています。