CATEGORY キッチンの歴史
北海道の本格的開拓にご尽力された屯田兵の方々。その歴史は1874(明治7)年の琴似兵村から始まります。
今の札幌市西区琴似地区です。
現在も琴似地区に、ひとつは国指定史跡として、もうひとつは北海道指定有形文化財として、建物が残っています。
現在の私達から見れば暗く、祖末で、冬はとても寒そうなお住まいなのですが、当時の住宅としては一般入植者からは憧れの、立派な建物でした。
屯田兵の家族は誇りを持って農作業などの仕事に励み、一日の疲れをこの兵屋で癒し、家族の絆を守っていたのでしょう。
流しは江戸時代からの流れで床置の座式流し。水甕が置かれています。煮炊きは背後の囲炉裏を使ったのでしょう。
台所作業がかなりの重労働だったことが想像されます。座式流しは明治初期の当時では、関西を除き全国的に一般的でした。
関西では土間に立ち流しでした。今のような立式台所が本格的に普及し始めたのは、台所改善運動が展開された大正デモクラシーの頃です。
本当に、昔の方々のご苦労には頭が下がります。