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進化するグリル付加熱機器

2025.03.31 Mon

進化するグリル付加熱機器

日本で開発され販売されている加熱機器に、高度な温度管理機能がつくようになって随分経ちました。かれこれ16年以上になります。
2009年に家庭用ガスコンロには、SIセンサーという名前の安全装置取付が義務付けられるようになりました。
この義務化は、ガスコンロで調理中に来客があったり、電話操作などすることがあったりした時に、うっかりガスコンロの火を消さないで応対してしまい、火事になるケースが多発したことから出来た日本独自の法律によるものです。
それまでの家庭用ガスコンロには、過熱自動消火機能がありませんでした。
この法律により、日本の加熱機器事情は大きな転換期を迎えます。

SIセンサーは自動消火機能に使うだけでなく、調理する際の温度管理にも使えるように工夫されました。
天ぷらやフライを揚げる時には、一定の温度を維持出来るようになり、熟練の温度管理が必要な厚焼き卵やオムレツも失敗なく焼きやすくなり、ガスコンロで炊飯する時は圧力鍋か「初めちょろちょろ中ぱっぱ赤子泣いても蓋取るな」と火加減を覚えた炊飯すら、自動調理出来るようになりました。

コンロ部分だけでなくグリル部分も温度管理が出来るようになりました。
魚焼きも、切り身干物、丸焼きと自動調理出来るようになり、火加減でトーストも焼けるようになりました。

それだけではありません。
現代の加熱機器のグリルでは魚焼き機能だけではなくなってきました。
ガスコンロでは、魚焼き網だけでなく、フッ素加工のグリルプレートや鋳物ダッチオーブが付属され、肉料理にも野菜料理お菓子作りにもと、実に多用途に使えるようになってきました。
更に便利なことに、上位モデルではスマホのアプリで自動調理が出来るようにもなってきています。

この調理に便利な温度管理機能はIHヒーターにも搭載されるようになりました。揚げ物管理、焼き物管理、炊飯機能。
IHヒーターのグリルでも、プレートが2枚ついてきて、こちらも魚や肉料理、野菜料理、お菓子作りと多用途に使えるようになり、上位モデルではこちらもスマホアプリ対応機種も登場しています。

SIセンサーの規制で販売出来なくなった機種もあります。
海外製のガスオーブン付のコンロです。
フランスのロジェールやアメリカのマジックシェフに代表されるような、魅力的な機種です。

SIセンサーの義務化で、中華鍋などを高火力で「煽る」ことも出来なくなりました。
SIセンサー機能を一時的に止める機能はあっても、プロのような「鍋さばき」は一般家庭では難しくなりました。
個人的には少し寂しく思います。

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